【レーティング】理想の子どもの人数が持てない理由トップテン

     
     


1990年代から言われ続けている社会問題として少子化があります。
厚生労働省が1899年から調査開始した出生数に関する報告によると、平成初期などに増加した年があるものの全体的に減少傾向の状況が続いています。

現代において子どもを持ちたくても持てない理由として、ご夫婦の方々からどのような声が挙がっているのでしょうか?
国立社会保障・人口問題研究所にて2015年に実施している「第15回出生動向基本調査」にて、理想の子ども数を持てない理由を1253組のご夫婦から聞いた調査結果が報告されていますので、回答総数が多い順にランキング形式でご紹介していこうかと思います。

データ参照元:「第15回出生動向基本調査(結婚と出産に関する全国調査)」(国立社会保障・人口問題研究所)
http://www.ipss.go.jp/ps-doukou/j/doukou15/NFS15_report5.pdf)(2019年12月13日に利用)
※調査は複数回答可能なアンケートとなっているため、回答合計値は100%を越えます。

第1位 子育てや教育にお金がかかりすぎるから

回答総数 56.3 %

・年齢別内訳
30歳未満・・・76.5 %
30~34歳・・・81.1 %
35~39歳・・・64.9 %
40~49歳・・・47.7 %

34歳までの約8割の夫婦が経済的な理由から、子どもを作る、あるいは増やすことを諦めてしまうようです。
全体としても5割以上の人が経済的理由を挙げており、各年齢層にとって共通の問題点であることがわかります。
2005年のAIU保険会社の調べによると、子ども1人の出産から大学卒業まで少なくとも約3000万円かかると報告されています。

国の経済支援としては、出産時に申請できる出産育児一時金が最大で42万円の給付を行っており、出産のために会社を休む場合には給与の3分の2を得ることができる出産手当金があります。
育児支援としては、児童手当があり3歳未満で月あたり1万5千円、3歳~小学校修了までで月あたり1万円(第3子以降は1万5千円)、中学校修了までで月あたり1万円を給付します。

上記のような出産や育児の手当てを受けたとしても、子ども1人を育て上げるにはかなりの費用を準備する必要があります。

以下のサイトに各手当に関する案内がありますので、申請できるものは是非利用しましょう。
(全国健康保険協会 出産育児一時金について https://www.kyoukaikenpo.or.jp/g3/cat315/sb3080/r145
(全国健康保険協会 出産手当金について https://www.kyoukaikenpo.or.jp/g3/cat315/sb3090/r148
(内閣府 児童手当制度のご案内 https://www8.cao.go.jp/shoushi/jidouteate/annai.html

第2位 高年齢で産むのは嫌だから

回答総数 39.8 %

・年齢別内訳
30歳未満・・・5.9 %
30~34歳・・・18.2 %
35~39歳・・・35.5 %
40~49歳・・・47.2 %

高齢出産は医学上、35歳以上で出産することであり、調査結果からも35歳以上の人から高齢出産の危惧が高まっていることがわかります。
高齢出産は母子ともに負担がかかり、流産や帝王切開の可能性の上昇や母体の産後の回復も遅くなりますから、高齢での出産は避けたい事柄ですね。

厚生労働省によると、平均初婚年齢が平成27年時点で夫30.6歳、妻29.0歳と報告されており、結婚後に1人目の子どもをすぐに授かったとしても1人目が小学校に入る頃に2人目を産むには35歳となり高齢出産になります。

このため晩婚化が高齢出産の要因となり、ひいては欲しい人数の子どもを望めないことに繋がるのかもしれません。
出典:「平成28年度 人口動態統計特殊報告「婚姻に関する統計」の概況 Ⅰ 出生の年次推移」(厚生労働省)
https://www.mhlw.go.jp/toukei/saikin/hw/jinkou/tokusyu/konin16/dl/01.pdf)(2019年12月23日に利用)

第3位 欲しいけれどもできないから

回答総数 23.5 %

・年齢別内訳
30歳未満・・・5.9 %
30~34歳・・・10.6 %
35~39歳・・・19.1 %
40~49歳・・・28.4 %
授からないという理由が3位に挙がっており、年齢とともに回答率も上昇しています。
全体として23.5%ということは、少なくとも5組に1組の割合で不妊に悩む夫婦がいることになりますので、かなりの割合と見れます。

日本産婦人科医会によると、女性は思春期から生殖適齢期には卵子の数が30~50万個あり、一度の月経につき数百から千個ほど減少しながら、37歳くらいまでに2万個にまで減ると言われています。
男性は35歳になると精子の妊娠させる能力や量、運動量が衰えるため、25歳未満のときと比べて妊娠の確率が半分にまで落ちます。
出典: 日本産婦人科医会 妊娠適齢年令 1.妊娠適齢年令より
https://www.jaog.or.jp/lecture/1-妊娠適齢年令/)(2019年12月23日に利用)

日本産婦人科医会によると1年以上授かりが無かった場合、夫婦で検査を受けて適切な不妊治療を受けたほうが良いそうです。
不妊治療には助成金が支給される制度があり、以下の厚生労働省のサイトにて案内しています。
(厚生労働省 不妊に悩む夫婦への支援について https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/0000047270.html
また、各地方自治体ごとに指定医療機関などの案内がありますので、お住まいの地域の情報を確認しましょう。

その他ストレスや不規則な生活によって、卵子の成熟と排卵を調節するホルモンの分泌が抑制されてしまい、卵子はあるのにうまく排卵できない状態になることもあるので、悩みや生活習慣などの外的原因は、夫婦で相談し、改善していくことが大切です。

第4位 これ以上、育児の心理的、肉体的負担に耐えられないから

回答総数 17.6 %

・年齢別内訳
30歳未満・・・15.7 %
30~34歳・・・22.7 %
35~39歳・・・24.5 %
40~49歳・・・14.3 %
子育てには経済的負担だけでなく、夫婦の精神的負担と肉体的負担がどうしても存在し、30歳~39歳の層で回答率が上昇しています。
実際に子育てを経験している30代の層が子育てに強い負担を感じているとわかります。

第1位の経済的理由も相まって、増大する子育ての負担軽減は少子化対策のための大きな課題です。
ファミリーサポートセンターという地域の子育てを支援する公共事業があり、育児の援助を受けたい人と援助を行いたい人とのマッチングサポートを行っています。

出典:「子育て援助活動支援事業(ファミリー・サポート・センター事業)について」(厚生労働省)
   (https://www.mhlw.go.jp/bunya/koyoukintou/ikuji-kaigo01/)(2019年12月17日に利用)

保育施設の送迎や保育施設や学校の放課後に子どもを預かる、保護者の病気や急用時に子どもを預かるなどの支援が行われております。
ファミリーサポートセンターの検索は女性労働協会の以下のサイトで都道府県ごとに調べられるのでお住まいの地域で検索してみるのもいいかもしれません。
(一般財団法人 女性労働協会 サポートセンター検索 http://www.jaaww.or.jp/research/

第5位 健康上の理由から

回答総数 16.4 %

・年齢別内訳
30歳未満・・・5.9 %
30~34歳・・・15.2 %
35~39歳・・・16.0 %
40~49歳・・・17.5 %
第二位の高齢で産むのは嫌だからと同様に、30歳未満に比べて30歳以上から大きく上昇しています。
年齢と出産のリスク、体力の問題など様々な健康上の問題があるかと思います。
また、30代を機に運動能力や免疫力が低下し、体調の変化や疲れを感じやすくなるため、この回答が多くなったのかもしれません。

母子の健康診断や産後の健康相談は各地方の保健所保健センターで行えるので、自身の健康をチェックしたいときには是非利用しましょう。
地方自治体によっては、家からなかなか出られない人向けに訪問相談電話相談などを行っているので、お住まいの地域の公共事業をチェックしておくと良いかもしれません。

第6位 自分の仕事(勤めや家業)に差し支えるから

回答総数 15.2 %

・年齢別内訳
30歳未満・・・17.6 %
30~34歳・・・24.2 %
35~39歳・・・20.2 %
40~49歳・・・11.8 %
平成9年に雇用者と専業主婦世帯よりも夫婦共働き世帯のほうが多くなり、平成29年には共働き世帯1188万世帯、雇用者と専業主婦世帯は641万世帯となっているため、現代は結婚後も働いている女性が多い時代です。

回答率の高い30代前半の働く女性のなかには、キャリアウーマンとして活躍している人や、経済的理由から辞められない人など様々な方がいらっしゃるかもしれません。

仕事と家庭の両立は、夫婦の連携だけでなく、社会全体で保育施設の整備や保育士の養成、育児休暇の取得のしやすさの促進などの環境作りが必要だと考えられます。

第7位 家が狭いから

回答総数 11.3 %

・年齢別内訳
30歳未満・・・17.6 %
30~34歳・・・18.2 %
35~39歳・・・15.2 %
40~49歳・・・8.2 %
30歳未満と30代前半で回答率が高くなっており、逆に40歳代では顕著に低くなっています。
若い家庭は手狭なアパートやマンション暮らしで、40歳代になるとより広い家で暮らし始めるため、回答率に差が出ているのかもしれません。

部屋が広いマンションなどもありますが、その分家賃も上がりますし、経済的に余裕が無い場合は難しいでしょう。
特に人口が集中している東京都などの都市部では、地価が上がっていますから、広い家に住むにはかなりの費用がかかります。

地方であれば都市部に比べて、過度な人口集中が無いため広い家に住めそうです。
しかし、都市部への人口集中に伴って生じている地方の働き口の減少が、地方を住みづらくしている要因の一つとしてあります。

第8位 夫の家事・育児への協力が得られないから

回答総数 10.0 %

・年齢別内訳
30歳未満・・・11.8 %
30~34歳・・・12.1 %
35~39歳・・・8.5 %
40~49歳・・・10.0 %
各年齢層通して一定の回答率がありますが、若い世代のほうが若干高くなっています。
共働き世帯が大多数を占める時代ですから、夫婦の連携無くしては子育てはできないでしょう。
協力が得られないのは、日本人に昔からある「家事は女性の仕事」の心理が働いているのかもしれませんし、もしくは協力する余裕が無いほど仕事が忙しいのかもしれません。

夫婦間で話し合い、家事・育児の作業を分担したり当番制にしたり、食洗機やルンバのような家事の負担を軽減する家電を購入するなど、お互いの負担を減らせるような工夫が必要です。

育児休暇は年1回子どもが1歳になるまでの期間と定められていますが、奥さんの産後8週間以内は年1回の定めから除外して取得できますし、夫婦が共に育児休暇を取得する際には育休が1歳2ヶ月まで延長されますので、この間に夫婦で協力して育児をしつつ、相談する時間を持つのも良いかもしれません。

また、育休期間中は育児休業給付金(月給の50~67%)児童手当(1万5千円)出産手当金などが貰えますので、収入面の支援を忘れずに受けるようにしましょう。

第9位 夫が望まないから

回答総数 8.1 %

・年齢別内訳
30歳未満・・・7.8 %
30~34歳・・・9.1 %
35~39歳・・・9.9 %
40~49歳・・・7.4 %
各年齢層とも僅かながら夫が望まないケースもあるようです。
この第9位の理由を回答したなかで、子ども0人を予定している夫婦は少数であり、子どもを1人よりも多くもうける際に夫が望まなくなるケースが出てくるようです。

夫が望まない理由には、上位にある経済的理由や精神的、肉体的負担が潜んでいるのかもしれませんが、なかには子どもが苦手であったり、既にいる子どもを集中して育てたい人もいるかもしれません。

内閣府の発表している平成26年度「結婚・家族形成に関する意識調査」報告書のなかで、子どもが既にいる既婚男性と子どものいない既婚男性を対象とした今後子どもが欲しくない理由が報告されており、上位3つが「将来の教育費が心配」「現時点で欲しい人数の子どもがいる」「育児にかかる費用が心配」であり、やはり経済的理由への不安が集中している傾向があります。
出典:「平成26年度「結婚・家族形成に関する意識調査」報告書」(内閣府)
https://www8.cao.go.jp/shoushi/shoushika/research/h26/zentai-pdf/pdf/2-2-2-5.pdf)(2019年12月23日に利用)

第10位 一番末の子が夫の定年退職までに成人してほしいから

回答総数 7.3 %

・年齢別内訳
30歳未満・・・2.0 %
30~34歳・・・7.6 %
35~39歳・・・6.0 %
40~49歳・・・8.0 %
30歳未満でこの理由はほとんど挙がらず、40代で一番回答率が上昇しています。
特に40代は就職氷河期世代に当たる層であり、経済的理由から定年後も子どもを育てることは難しいのではないでしょうか。
老後に2000万円必要と言われる時代であり、老後の資金確保もしなければなりませんから、働いている時期に子育てを終えたいと考える人も多いのではないでしょうか。

定年が昔は60歳、2006年には65歳に義務化され、最近では70歳にまで延長すると言われており、年金に関しても少子高齢化に伴って減少していくので、定年後も子どもを育てるのは経済的に難しそうです。

最後に

消費税増税などの社会的負担の増大や働き手の収入が減少しており、共働き世帯が増加するものの、それでも経済的負担が解消されないため、子どもを持ちたいだけ持てない世帯が増えているようです。
また、精神的負担や肉体的負担を理由とする声も多くあり、子どもを育てやすい環境作りが社会に足りていないと考えられます。

内閣府の平成25年度「家族と地域における子育てに関する意識調査」での晩婚化の理由調査によると、20代30代の男性で「経済的に余裕がないから」、20代30代女性では「独身の自由さや気楽さを失いたくないから」という意見が最多となり、経済的理由やライフスタイルの変化が晩婚化の要因となっているようです。
出典:「平成25年度「家族と地域における子育てに関する意識調査」報告書」(内閣府)
https://www8.cao.go.jp/shoushi/shoushika/research/h25/ishiki/pdf/2-1.pdf)(2019年12月23日に利用)

出生率を回復させた海外の例として、フランススウェーデンがあり、手厚い手当てによる経済的支援や多様な保育サービス、子どもが3歳になるまで育休が取得可能になるなど、就労と子育ての両立を目指した支援が行われています。

日本でも児童手当や育休制度などが確かに存在していますが、保育サービスや経済的支援の充実が不十分なのではないでしょうか。
現状の対応のみならず、海外の出生率回復の成功例を参考に計画的な政策の展開が欲しいところです。

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