近年の日本の政権のなかでも長く続いている第4次安倍内閣ですが、閣僚の辞任が多く感じられます。
ニュースでの報道はネガティブなことばかり印象に残ってしまうとは思うのですが、長期政権なので
致し方無いところもあるやもしれません。
ただ、安倍内閣では今回の河井氏の辞任により、辞任した閣僚は10人にも上っています。
辞任の際には一時的に騒がれても、その実情についてはなかなか覚えていないものです。
今回は辞任した閣僚在任期間を基に辞任理由と主な実績と合わせてランキング形式で振り返ってみました。
第10位 3年と1ヶ月(1128日) 甘利明 経済財政政策担当大臣
2012年12月26日~2016年1月28日で在任
主な実績
・環太平洋パートナーシップ協定(TPP)締結交渉。
・税と社会保障一体改革。
甘利氏は安倍内閣にて財政の見直しや税についての改革を行いました。
TPP交渉ではアメリカなどとの交渉に尽力し、当時のオーストラリアのロブ貿易・投資相から
「TPP全体を質の高いものにした功績を誇るべきだ」という言葉が贈られるほどです。
辞任理由
・秘書との金銭授受疑惑の報道に対して責任を取るために辞任。
第9位 11ヶ月と25日(359日) 稲田朋美 防衛大臣
2016年8月3日~2017年7月28日で在任
主な実績
・海賊対処活動や平和活動のために海外に駐留していた自衛隊を訪問・激励。
・海外の国防相や国連事務総長特別代表などと会談。
防衛大臣就任以降、若手職員や自衛官の意見をよく聞くように心がけていたそうで、
海外での視察や激励の際にも階級などに拘らず最も詳しい職員から直接、情報を聞くようにしていたそうです。
辞任理由
・南スーダン国連平和維持活動に派遣された部隊の破棄しているはずの日報を陸上自衛隊が
保管していた問題について監督責任を取るために辞任。
第8位 8ヶ月と23日(266日)今村雅弘 復興大臣 兼福島原発事故再生総括担当大臣
2016年8月3日~2017年4月26日で在任
主な実績
・東日本大震災の被災地視察。
株式会社福島ガイナックスから「新世紀エヴァンゲリオン」のキャラクターを意匠したネクタイを
贈られており、福島の企業を応援するために会見や講演会のときも愛用していました。
辞任理由
・東日本大震災について「まだ東北で、あっちの方だったから良かった」などの不適切発言で責任を取るために辞任。
第7位 6ヶ月と24日(208日)江崎鐵磨 消費者問題担当大臣 兼領土問題担当大臣
2017年8月3日~2018年2月27日で在任
主な実績
・北方領土の視察や返還のための取り組み。
江崎氏の父はかつての自民党の実力者であり、かつ政治の師は現在の自民党の実力者である二階俊博氏であるため、
いつ入閣してもおかしくないと言われていましたが、江崎氏は「党にへつらって良いポストに就きたいとはさらさら思わない」と述べるなど入閣に対して関心がありませんでした。
そのため、安倍総理からの入閣依頼の電話には一度、断りを入れたそうですが、
政治の師である二階俊博氏の説得により入閣を果たしました。
辞任理由
・一過性脳虚血発作による健康不安から公務の継続が困難になったため辞任。
第6位 6ヶ月と9日(191日)桜田義孝 五輪担当大臣
2018年10月2日~2019年4月11日で在任
主な実績
・2020年東京五輪に向けての準備調整。
大学在学中は商学を学び、アルバイトで始めた大工の仕事を卒業後も定職とし、
25歳の若さで桜田建設を立ち上げました。
また、柔道や空手、将棋の有段者でもあるため文武両道の一面を持ちます。
辞任理由
・「(東日本大震災からの)復興以上に大事なのが議員だ」という不適切発言の責任を取るために辞任。
第5位 5ヶ月と20日(173日)西川公也 農林水産大臣
2014年9月3日~2015年2月23日で在任
主な実績
・環太平洋パートナーシップ協定(TPP)の締結。
森内閣や小泉内閣時代の頃から大臣政務官や副大臣として長く政務に関わっており、
安倍内閣にて大臣に就任、複数の内閣を通して国政に長く関わってきました。
辞任理由
・政治献金問題が発覚し、責任を取るために辞任。
第4位 1ヶ月と20日(50日)河井克行 法務大臣
2019年9月11日~2019年10月31日で在任
主な実績
・児童虐待防止の検討会発足を指示。
・2019年台風19号の接近に伴い、在留外国人に向けて英語で注意を呼びかける動画を公開。
法務大臣になる前の2016年には内閣総理大臣補佐官としてアメリカ、ヨーロッパ、
アジア、アフリカ、中東など計10カ国の首脳や要人と精力的に会談を行い、
安倍内閣の外交に貢献しました。
辞任理由
・河井氏の妻の選挙活動に公職選挙法違反の疑惑が報道され、信頼を損なってしまったため辞任。
第2位 1ヶ月と17日(47日)松島みどり 法務大臣
2014年9月3日~2014年10月20日で在任
主な実績
・刑罰制度の見直し。
法務大臣になる前の2013年には経済産業副大臣に任命されており、
小規模企業振興基本法の成立に貢献、地域経済の活性化を促しました。
辞任理由
・選挙時にうちわを配布したことに公職選挙法違反の疑惑が浮上、混乱を招いたため辞任。
第2位 1ヶ月と17日(47日)小渕優子 経済産業大臣 兼内閣府特命担当大臣
2014年9月3日~2014年10月20日で在任
主な実績
・初の女性経済産業大臣であり、原発事故の損害賠償問題の行政にも関わる。
2008年の麻生内閣時には戦後最年少の34歳9ヶ月で内閣府特命担当大臣に就任し、
2014年の第2次安倍改造内閣で女性初の経済産業大臣に就任しました。
辞任理由
・政治資金規正法違反があったため辞任。
第1位 1ヶ月と14日(44日)菅原一秀 経済産業大臣
2019年9月11日~2019年10月25日で在任
主な実績
・2019年台風19号の被災地の視察。
大学時代には全日本ディスコダンス選手権で3位に入賞し、7位に入賞していたSAM(のちのTRF)と
ロッキーというダンスユニットを組んで各地のディスコ破りをするほどの実力を持ったダンサーでした。
辞任理由
・公職選挙法違反の疑惑が報道され、混乱を招いたため辞任。
最後に。
辞任には体調面での不安、不祥事の発覚や疑惑が浮上したために責任を取るなど
様々な理由がありました。
国のトップの公務を行うわけですから、どのポストも難しいのでしょうし、
それを適材適所に割り振るのはもっと難しいのでしょう。
しかしながら、筆者のような一般人が代わって務められるわけでもありませんので、
どうか今後就任される方々には頑張っていただきたいところです。