【SDGs】ジェンダー平等を現実にしよう

     
     

 

 

 

 

 

 

 

 

ジェンダーとは

ジェンダーとは、大人子供関わらず女性と男性間に置ける関係性・相互関係をいいます。
日本では80年代の終わり頃から使用されるようになりました。

男女の性差を意識し始めるのは2歳頃からと言われます。
それは幼少期から父親や母親など身の回りの大人から男女の性別の見た目や行動、振る舞いを認識して性差の影響を受けているからです。

SDGsでも目標として掲げられている「ジェンダー平等」
当記事では世界経済フォーラム(WEF)が分析した世界男女格差指数を元に、ジェンダー平等が進んでいる国のランキング上位10ヶ国をご紹介します。

※世界男女格差指数とは
「経済」「教育」「医療」「政治参加」の4分野におけるジェンダーの平等さをスコア化し、男女間の不均衡を示す指標としている数値です。
0が完全不平等、1が完全平等を示します。
今回はその4分野のスコアを平均した総合指数を参照して順位としました。

ランキング

1位 アイスランド

世界男女格差指数 0.892

アイスランドではジェンダー平等問題改善の為様々な制度が作られました。

アイスランドでは「育児は誰にでも守られるべき権利」との認識があります。
その裏には2000年から続く男性も育児休暇を容易に取得出来る制度があり、この制度の存在により男性は積極的に育休を取得しているそうです。

その他にも会社内で女性役員を4割とさせるクオーター制を導入、男女同一労働・同一賃金でなければ違法とする法律を世界で初めて導入しました。

またこのような取り組み、法律改正の裏では性暴力、性犯罪が絶えない実態がありました。
その為、性犯罪被害者の為に1990年に設立されたのが「性暴力被害者支援センター・スティガモット」です。
無償でカウンセリングやセラピーなどのサポートを提供しており、調査やシェルターなども作られ性被害を受けた経験がある人々を「支援」から「自助」へ導けるよう活動しているそうです。

2位 フィンランド

世界男女格差指数 0.861

フィンランドでは100年以上かけて目指してきた男女平等社会があります。
1906年に女性に完全参政権を付与をされました。
会社等では男性の仕事、女性の仕事と性別による役割分担で区切らず、男性女性関わらず「個人の才能に合った仕事」「個人の才能を活かせる仕事」に就けることを社会に浸透させ、男女お互いに支え合い発展する社会を築いています。
そして教育では女性が将来会社でも活躍する事が出来るよう教育レベルを底上げているそうです。

またフィンランドでは男性によるDV被害が後を絶たない状況です。
原因としては失業やアルコールによる被害が多く、以前に比べ改善されているものの被害が無くなっているわけではありません。
その為にフィンランドでは今現在この問題に対し対策を立てているそうです。

3位 ノルウェー

世界男女格差指数 0.861

ノルウェーでは1978年男女平等法が成立され、翌年の1979年より施行され、世界に先駆け「男女平等オンブッド」が置かれたのもこの国です。
1993年には男性に育児休暇制度が導入、2003年男女平等法に条項が新しく加えられ、全ての雇用主が男女平等の情報を年次報告書に記載する事を義務付けられました。
他にも取締役会の女性割合が40%に達しない場合罰則がつくクォータ制の適応、新たに設立されるPLCについて取締役会のクォータ制の義務付け等が設立されました。
しかし、一方では「専業主婦」はあまり世間から良く思われず、70%の女性が賃労働と言う問題もあります。
男性がフルタイムで働く中、女性のパートタイムが多いそうです。
こう言ったことを「男女平等政策が実現できていない証拠」と捉え「法律だけで変える男女平等実現は難しい」という考えの下、「克服するのは文化」「法律や政策改善も変化を起こす」という方針で時間をかけて少しずつ文化を変える取り組みを行っているそうです。

4位 ニュージーランド

世界男女格差指数 0.840

ニュージーランドでは1893年女性初の参政権が認められました。
1997年に女性が首相になり、2017年には世界初の女性首相が6週間に渡る産休を取得しました。

ニュージーランドでは育児休暇と育児手当があり、育休はワークビザでも条件を満たせば取得が可能です。
しかし育児手当の場合は条件内容に永住権保持者と言う項目があり、ワークビザでは取得出来ません。

永住権さえ取得出来ればニュージーランドは国からのサポートが手厚いため子育てしやすい国とも言えます。
子育てが充実している反面、現在でも女性の企業役員や管理職、経営職を占める割合は低く「#MeToo」運動により女性の差別やセクハラの経験が明らかになっています。
また、男女の賃金格差は10%あり、低賃金労働に従事する女性が多く更に家庭内暴力の被害を受けている女性も少なくありません。
この問題についてニュージーランドでは現在も問題解消の為の対策を立てているそうです。

5位 スウェーデン

世界男女格差指数 0.823

スウェーデンでは政治や行政の場に女性が多く働いており、女性大臣50%、国会議員45%、市議会議員50%、市の管理職33%です。
女性が多く働く事により子育て、ワークバランスが取りやすい社会を築く事が出来ます。
1960年代女性が社会に進出するようになり、男女平等を進める為に1年間の育休の内2ヶ月は父親しか取れない法律が出来ました。
過去には男女の給与や労働条件に大きな差があり、1970年代に男女平等を訴える女性達による運動が起こり、その運動により女性は権利を取得した背景もあります。
更に男女平等の為のクオーター制の導入、平等法、選挙制度等制度や法律が出来るなど法整備の面でも進んでいます。

スウェーデンでも現在女性への暴力・脅迫・脅しの被害が絶えず、助けを必要とする女性の為にスウェーデン全国180箇所に「スウェーデン女性シェルター協会」「女性及び若年女性シェルター全国組織」等が運営するシェルターが設置されています。
そして「女性に対する暴力に関する全国連絡協議会」もあり、被害を受けている女性の為に支援方法の改善に務めています。

6位 ナミビア

世界男女格差指数 0.809

ナミビアは1990年に南アフリカから独立したアフリカ諸国の中でも若い国の1つと言われています。
南アフリカの人種隔離政策で知られるアパルトヘイトがナミビアでも実施され、白人と非白人の移住地が分けられました。
土地や富を白人が独立した中、非白人は無権利状態に陥りましたが、その中南西アフリカ人民機構が中心となり独立運動が始まりました。
1960年代に武装闘争が始まり1989年にようやく国連監視下で選挙が実施、1990年3月に独立を果たしました。
ナミビアの独立は植民地支配と人種差別に対する闘いを通じて勝ち取ったもので、独立時に作られた憲法には差別を克服する為アファーマティブ・アクションが採用されました。
そして他にもナミビアは暴力、そして強姦の発生が高い国の1つとも言われています。
その為市民の怒りによりナミビア各地でデモ運動が行われました。
現在参加者は司法省に対し性犯罪者への性犯罪裁判所の設置を求めています。

7位 ルワンダ

世界男女格差指数 0.805

ルワンダはアフリカの中でも積極的にジェンダー平等に積極的に取り組んでおり、特に女性の意思決定機関への進出に力を入れています。
その為、女性議員の割合が56%であり世界1位の称号を持っています。
1994年、新政権により政府は差別撤廃や経済開発に取り組みました。
新国家となったルワンダはジェンダー平等の為に法整備、政策、戦略策定などが進められています。
他にも基礎教育の無償化や教育機会の平等化も進められており、それらの取り組みによりルワンダの初等教育純就学率は男子より女子の方が3%高い事という結果が出されています。
しかし一方では女性には理不尽な事柄があるという現実もあります。。
例としては女性に不利な法整備や暴力や体罰、女性教員の不足や家庭の貧困問題などがあります。
ルワンダでは子供が産まれてもパートナーが認知しない事がままあると言われ、その為女性が労働を含め多くの負担を負ってしまいます。
そう言った負担を少しでも軽減させる為、飲食店などは営業終わりにレストランから食事を持ち帰る事が出来るなどの支援を試みている動きもあるそうです。

8位 リトアニア

世界男女格差指数 0.804

リトアニアの前回の順位では33位でしたが、今回測定時までにジェンダー平等にむけて大きな躍進がありました。
まず大きな要因として挙げられるのは、前回計測時点で0だった女性大臣の割合が42.9%と大幅に上がり、それに伴って働く女性の割合も増加したことでしょう。
これはEU加盟諸国においてラトビアに並んで最大の割合となっています。
また、議員に占める女性の割合も21.3%から27.7%へと増加しており、このことも前回から大きく順位を伸ばした要因となっているでしょう。

9位 アイルランド

世界男女格差指数 0.800
アイルランドは近代までは「男尊女卑」が比較的顕著な国でした。
例としてはお酒を提供するお店では、女性は公の場では飲酒するべきではないという考えから女性の入店を拒否するお店や、入店は可能でもお酒の提供を断るお店も多くありました。
また、離婚の合法化は1996年、中絶が合法化されたのは2018年と、本当に直近までは女性に負担が掛かってしまう現実が多々存在していました。
そんな社会を乗り越えて現在は世界有数のジェンダー平等な国であると公式なデータからも言われる国になりました。
その意識は男性、女性という隔たりに限られません。
同性婚の合法化の是非を問う国民投票を世界で初めて実施し、賛成が62%という過半数を上回る結果になりました。
これは団体による働きかけや世界の風評による国への働きかけではなく、アイルランドに住む国民の大多数がジェンダー差について理解があることを示していると言えるでしょう。

10位 スイス

世界男女格差指数 0.798

スイスでは「男女平等推進」「ワークバランス」「暴力防止」「反差別」の4つの改善を2030年までに目指しています。
1981年に連邦憲法第8条の平等法に「男女は平等の権利を有する」という規定が加えられ、1996年に施行されました。

しかし、それでも尚スイスではジェンダー平等を達成したとは言えず、改善しなければならないとしており、家族、ひとり親世帯の貧困撲滅も目指しています。
また、女性への暴力や家庭内暴力の調査結果の活用を改善し、被害を受けた人々の保護を強化しています。

さらには学校教育に関する政策や女性の労働、家庭を両立させる為の改善策を考えており、政府はその両立を考えながら改善策を立てているそうです。

まとめ

このランキングを通して基本的どこの国も暴力や性暴力が多く問題視されていることが見えてきます。
悲しい事に、いくら政府や国が条約や権利、法律を作り定めても様々な人がいて、そういった人々の考えがすぐに改善されるわけではないという現実があります。
国民、ひいては世界の一人一人が意識をして考えを持たなければジェンダー問題は今後も続いていくでしょう。
そして各国このラインキングに入っていない国も、現在ジェンダー問題に政策を立てて改善を進めています。
今後どのように改善策や法律、条約が出来るのか。
それらによってどれくらい人々は変わっていくのか、今後も興味を持って一緒に考えていただけると幸いです。

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